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Bさんが、日を追うごとにグチが多くなってくるので、いつしか悟りました。。
これはその内、矛先が私に向いてくると。。
Bさんはプライドも高く、仕事も私に負けたくないようでした。
私はどうかというと、仕事できるできないは関係なく、人間関係がよくて楽しければなんでもOKみたいな感じ。
他の部門の人とも仲良くしていました。
それに対してBさんは、ここには仕事だけをしに来ている、という意識が強いみたいで、人と雑談することも億劫そうで、人を避けてました。
なので当然、周りの人はBさんよりも私に話しかけてきます。
Bさんは、それも面白くないようで、
「Kさんはいいよね、何もしなくても周りから話しかけてもらって。私は話しかけられないよ。」
と言っていました。
いやいや私は毎日自分から笑顔で挨拶してるんだよ!ちょっとした雑談も、私からもどんどん周りに振ってるんだよ!
人を避けるようにそそくさ帰る人に、誰が話しかけるかー!
矛先が私にも向いてきていることを、ひしひしと感じていました。。
清掃①
鬱になり、あぁもう1人では立ち上がれない、と底まで落ちていたとき、でも、何とかして前に進みたい、と思っていました。
早くフルタイムで働いて、人並みになりたい。
でも、この底まで落ちている状況からいきなりフルタイムで就職しても、続かないだろうということは自分でよくわかっていました。
みっともないけど、今の私には人並みが到底できない。
初めてそれを認めて、背伸びをしない自分に合った仕事を考えました。
ハードルを思い切って最低にしよう。
じゃあ確実にできることは何か?
頭も体力も使わない単純作業。
時間に急かされることもない、そしてスタッフの人たちが人生経験豊富で、いじめの絶対にない職場。
その時思いついたのが、スーパーの清掃でした。
9
私と同じ時期からこのスーパーで働き始めた人は、私を含めて5人いたけど、4人はもう辞めてしまいました。
残った1人はおじいちゃんです。
今も元気に働いてるみたい。
辞めた4人の人は全員女性。
職場の人間関係ってほんとに大事だよね。
この4人の中のBさんは、40代の2人の小学生のお子さんがいる主婦でした。
私はBさんと同じ時間帯で働いていたため、顔を合わす機会が多く、一番最初に仲良くなりました。
しかしこのBさん、だんだんと周りの人のグチが多くなります。。
「Cさんってさ、男の人に対しては愛想いいよね?自分から話しかけててさ。でも私には話しかけてこないよ。」
Cさんは20代の主婦です。
私はCさんに対してそんな風に思ったことはなく、仕事帰りに一緒になった時には雑談したりして、いい人だな〜、と思っていました。
でも、だんだんとBさんのCさんへのグチは多くなっていきます。
あ、これは、Bさんきっと、年齢に嫉妬しているんだな、と思い始めました。
Cさんが20代で若いから、嫉妬しているのではないか?
女性あるあるですよね?
そして、Bさんは、ついには主任や他の社員さんのグチまで話すようになっていきました。
8
ここの職場には、何十年も務めているベテランパートさんが2人いました。
年齢は、60代と50代だと思われます。
どっちの人も、声が大きく、自己主張の激しいおばさん。
でも、仕事はすごく早く、かつ正確でした。
2人とも性格がキツイので、私を始め、色んな人が泣かされていました。
ある日の朝、開店前に品出しをしていると、向こうの方でいきなり怒鳴り声がしました。
何かと思って顔を上げると、50代のおばちゃんAが、主任を怒鳴り散らしている。。
50代の小太りの、噂話が好きで、仕事中もいつも誰かのグチを言っている人。
その人が、他にも品出ししている人がいる中、狂ったように主任を怒鳴っていました。
大の大人が感情に任せて、職場でこんなに大声を出すなんて。。私はおったまげました。。
どれくらいの時間だっただろう?
10分くらいかな??
怒鳴り続けてました。
でもみんな、何もない顔をして仕事をしていて。
私は主任が心配で、その日はチラチラ主任を見ながら仕事をしていたけれど、主任は落ち込んだ様子を一切見せず、その後も笑顔で仕事をしていました。
7
不安に思いながら電話に出ると。。
「こんにちは、佐藤です。昨日ね、○○スーパーでコロさんが働いてるのを見た、っていう人がいるんだけど、コロさんはうちで働いてもらえるの⁉︎」
「あ、はい、あっちのスーパーはもうすぐ辞めることになっていて、これからはこちらのスーパーで働きます。」
「あ、そーなの!働いてくれるのね??良かった良かった。じゃあよろしくお願いします。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。」
なんだー、そんなことか!
びっくりした。。
しかも、面接してくれた人とか、主任とかじゃなく、すっ飛ばして一番上の店長から連絡くるって何でだろ??
うーん、まぁいっか!
あ〜、びっくりした〜
そして、今までお世話になったスーパーを辞め、いよいよ再オープンの日が来ます。
新聞広告にも、大きく『再オープン!新しくなった○○スーパー★再オープン記念特価‼︎』みたいなことがでかでかと書いてありました。
これは相当混むだろうな〜
お客さんが落ち着くまでは、仕事もしっちゃかめっちゃかになるだろうし、、と怯えていました。
他店からも、しばらくは応援の人が毎日何人も来ることになっていました。
もちろん私も、再オープンの日から出勤です。
しかし、再オープンということで、最初はしばらく仕事内容が特別なので、お店が落ち着くまでは、その都度主任から指示されたことをすることになりました。
6
主任は、とにかくもう優しい人でした。
とても明るく、誰にでも話しかけて雑談もし、そこにいるだけで場がパッと明るくなるムードメーカーでした。
明るい田舎の元気なにいちゃん!って感じ。
ポッチャリしてるので、パートさんたちからは「金太郎!」って呼ばれてました。
でも自分では、どうして金太郎と呼ばれるのかわからないらしく、
「なんで僕のこと、みんな金太郎って呼ぶんやろ。。??」
と言ってました。
青果は、野菜と果物とお花を扱ってるんだけど、私はとりあえず野菜の加工の仕方だけを教えてもらい、デビューすることになりました。
半年、と決めて働いていたスーパーにも辞めることを伝えて、心の準備も満タン!
そんな時に、面接官をしてくださった2人の人のうち、怖くないもう一人の方が、私が辞めるスーパーに買い物に来て下さいました。
私がレジをやってると
「こんにちは〜」
お昼のお弁当を持ってやってきました。
心の中で『おぉ!』と驚きながら、でも嬉しく、「ありがとうございます。」と言ってお弁当を受け取ります。
そして、その人は
「ありがとう!頑張ってね」
と言って帰って行きました。
次の日、夕方くらいに家電に電話がかかってきました。
電話の近くにいた母が出ると、なんだか知らない人っぽい。。
そして、母に「新しいスーパーの店長さんからだよ!」
と呼ばれました。
え、なんだろう。。。?
でもきっと、昨日の事に関係あるよね。。
不安に思いながら電話を代わりました。
5
私はこの時、スーパーを掛け持ちしていたので、他のパートさんより研修の日数を取ることができず、他の人たちが1ヶ月ですることを、5日間で叩き込まれました。
もうそれはそれは、ギュッと圧縮された日々で、覚えることが山のようにありました。
鮮魚の主任さんなんか、
「おまえ、それパワハラやろ!」
ってうちの主任に言ってた(笑)
毎日夜、家に帰ってきてから必死こいてメモを復習し、暗記しました。
ハード過ぎて、家では泣いてました。。
スーパーに買い物に行ったとき、パートのおばちゃんたちを観察していると、ゆったり楽しそうに仕事してるな〜、って思ってたけど、
現場に足を踏み入れてみると、実はそうではありません。
やること多過ぎて、午前中は特に戦場です。
冷蔵庫に山積みになっている段ボールから、キャベツの段ボールを探して持ってきて、キャベツを取り出して、腕くらいある大きな包丁で切っていきます。
そして、ラップを巻いて、バーコードに値段と産地を入力し、専用の機械からバーコードを出し、キャベツに貼っていく。
もちろんキャベツだけじゃありません。
白菜も、長芋も、大根も、ほうれん草も。。
ありとあやる青果に並べてある野菜、果物を、こうやって加工していきます。
開店時間までに。。。orz