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青果には、カットフルーツ、という仕事があるんだけど、私は最初はしばらく野菜の加工だけで、カットフルーツにはノータッチでした。

 

しかし、そんな私にも、カットフルーツをできるようになってほしい、という指令が主任から下されます。

 

とうとうきた!

頑張らなくちゃ。。

 

フルーツの加工数は、クリスマスとお正月が1年で1番多いんです。

なので、12月に入ったし、私もその戦力に入れたいから仕事を覚えてほしい、とのことでした。

 

そして、その何日かあと、

朝出勤して作割りを見ると、朝からぶっ続けで4時間カットフルーツになっていました。

社員さんと2人で、マンツーマンのカットフルーツになっている。。

 

私は怯えました。

 

なにせ私がこの世で1番苦手なのが、人と話しをすることだからです。

 

狭い空間で、上司と2人きりでぶっ続けで4時間も過ごすなんて、ありえません。

 

でも逃げられません。

 

私はその上司に挨拶に行きました。

「おはようございます。今日はカットフルーツ、よろしくお願いします。」

「おはよう!うん、よろしくね。」

 

上司は、よろしくね、とは言ってくれたけど、頭の中にはハテナが浮かんでいるようでした。すぐに作割りを見に行き、

 

「あ〜、今日はカットフルーツを教えることになってるのかぁ。あいつも無茶振りするな〜。」

 

あいつ、とは主任のことです。

主任はどんぶり勘定で、やっちゃえ主義なので、無茶振りをしょっちゅうするんです。